「ベースの初心者セットって安いけど大丈夫?」
「安いベースは弾きにくいからやめたほうがいいって本当?」
初めてのベースを探していると、初心者セットはダメという意見を見かけることがあります。
結論から言うと、初心者セットは全然ありです。
ただし、セットならば何でも良いわけではありません。
付属品の数や値段だけで選ばず、ベース本体の見た目、メーカー、販売店を確認することが大切です。
✔︎この記事の結論
- 初心者セットでも演奏や練習は十分できる
- 最初の一本は音よりも見た目を優先してOK
- 本体・アンプ・チューナー・スタンドなど必要最低限のセットで十分
- 付属品の多さより、メーカーと販売店の安心感を重視する
- 好みが決まってから、2本目にお金をかければ良い
私は学生時代にベースを始めて約20年。これまで15本ほど所有してきました。
大学や社会人のバンドでライブを経験し、ジャズフェスへの参加や、短期間ですが初心者向けのベース講師を担当した経験もあります。
安いベースから高価なベースまで触ってきた経験をもとに、初心者セットがダメと言われる理由と、後悔しない選び方を紹介します。
※価格やセット内容は2026年8月23日時点の情報です。販売店や時期によって変わるため、購入前に最新情報をご確認ください。
ベース初心者セットがダメと言われる理由
初心者セットがダメと言われる理由は、大きく分けて次の3つです。
- ベース本体の材料やパーツが安い
- 細かい部分の仕上げに差がある
- 付属品の品質がそれなり
確かに高価なベースと比べれば、音や弾きやすさに違いはあります。
しかし、その違いが初心者の練習を妨げるほど大きいかというと、ほとんどの場合はそこまでではありません。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
材料やパーツは価格相応
ベースの価格は、使われている木材やパーツ、製造にかける手間などで変わります。
高価なベースほど良い材料やパーツが使われ、職人が細かく調整する時間もかけられています。
一方、初心者向けの安いベースは、手に入りやすい材料やパーツを使い、工場で効率良く生産することで価格を抑えています。
当然、並べて弾けば差はあります。
私も知人から1~2万円ほどだったBUSKER’Sのプレシジョンベースタイプを借りて弾いたことがあります。
第一印象は、楽器本体が軽く、音も軽め。パーツや全体の作りも価格相応というものでした。
すでに質の良いベースを知っている私には少し物足りませんでしたが、楽器としては十分に使えます。
安さを考えれば、最初の一本としてよくできたベースです。
音が出ない、音程が取れないというようなものではなく、普通に練習できます。
音の違いよりも、細かい仕上げに差が出る
安いベースで差が出やすいのは、派手な音の違いよりも細かい仕上げです。
私がこれまで見たものでは、次のような例がありました。
✔︎実際にあった事例
- 新品の時点で塗装に割れがある
- ネックの角が高価なベースほど丁寧に丸められていない
- 電装部分に加工時の木くずが残っている
- 内部の半田付けが雑で、配線が外れそうになっている
私が所有していた安いコンパクトベースも、新品の時点で塗装割れがありました。
また、複数の安いギターやベースで、内部に木くずが残っているのを見たことがあります。
とはいえ、どれも直ちに演奏できなくなるような問題ではありませんでした。
調整や修理をすれば普通に使えますし、私の場合はほとんど自分で直しています。
ただし、初心者が無理に分解や修理をする必要はありません。新品で不具合を見つけたら、まず購入店へ相談しましょう。
安いベースは弾きにくい?
安いベースはフレットの処理が悪く、弾きにくいと言われることもあります。
しかし、私自身は手が痛くなるほどフレット処理の悪いベースに出会ったことはありません。
もちろん、momoseなど丁寧に作られたベースと比べれば、ネックを握ったときの感触や弾きやすさには違いがあります(私はmomose愛用者です)。
それでも「何となく弾きにくいかな」という程度で、初心者が練習できないほどの差ではありません。
安いベースすべての作りが悪いわけではなく、最近は低価格帯でも初心者を意識した作りのモデルがあります。
たとえば現在のBUSKER’S BJB-Standardは、フレット両端を丸くしたパーツや、握りやすい細めのネックを採用しています。
弾きやすさに影響するのはナットの高さ
安いベースで弾きやすさに一番影響しそうなのが、ナットの高さです。
ナットとは、ヘッドと指板の境目にある弦を支えるパーツのこと。
ナットが高いと、とくにローポジションで弦を押さえにくくなります。
1~3フレットあたりを押さえたときに必要以上に力がいる場合は、ナットの高さが影響しているかもしれません。
低価格帯のベースは、ナットがやや高めに残されていることがあります。
高めなら後から削って調整できますが、最初から低すぎると開放弦のビビリなどにつながるためです。
個人的には、ナットは低めに調整されているほうが押さえやすく、初心者にも弾きやすいと思います。
ナットの溝は専用のヤスリで削って調整できます。
ナットは一度削りすぎると元に戻せません。専用工具が必要で微調整も難しいため、初心者は無理に自分で削らず、楽器店やリペアショップへ依頼するのが安心です。
初心者セットの付属品は使える?
初心者セットで注意したいのは、ベース本体よりも付属品です。
セットには色々な小物が入っていますが、数が多いほど良いわけではありません。
最低限、次のものがあれば練習を始められます。
✔︎欲しい付属品
- ベース本体
- ベースアンプ、またはヘッドホンアンプ
- シールド
- チューナー
- ストラップ
- ベーススタンド
- ケース
ピックやクロスが付いていれば便利ですが、教則DVDや大量のメンテナンス用品などは、最初から必須ではありません。
スタンドとチューナーはセット品で十分
スタンドは、すぐ手に取れる場所にベースを置くために便利です。
ケースにしまうと取り出すのが面倒になり、自然と練習回数も減ります。
チューナーも練習のたびに使う必需品。最初はクリップ式などのシンプルなもので十分です。
小型アンプは最初に使えるが、買い替える可能性あり
初心者セットに付属する小型アンプも、とりあえず音を出して練習する用途なら使えます。
ただし、小さなスピーカーではベースらしい低音を十分に出せないことがあります。
私がセット選びを手伝った例でも、付属アンプでは低音がうまく出ず、しばらくして別のアンプへ買い替えました。
最初はセット品を使い、音や機能にこだわりたくなってからアンプだけ買い替えるのも全然ありです。
集合住宅などで大きな音を出せないなら、最初からヘッドホンアンプ付きのセットを選ぶ方法もあります。
薄いケースは持ち運びが増えたら交換
低価格セットに付属するケースは、生地やクッションが薄い場合があります。
自宅でホコリを避ける程度なら使えますが、学校やスタジオへ頻繁に持ち出すなら、クッションの厚いケースに替えたほうが安心です。
ケースも最初から高価なものを買う必要はなく、持ち出す機会が増えた時点で考えればOKです。
初心者セットをおすすめできる人
✔︎初心者セットが向いている人
- 初めてベースを購入する
- 学生などで予算が少ない
- 何をそろえれば良いかわからない
- 長く続けられるか、まだわからない
- できるだけ早く練習を始めたい
ベースを始めたばかりのころは、自分がどんな音を好きなのか、その音を出すにはどんな楽器が必要なのか、まだわかりません。
私も最初のころは、音の良し悪しなんてほとんどわかりませんでした。
好みが固まっていない状態で高価なベースを買うと、後から欲しい音や形が変わって後悔する可能性があります。
まずは手ごろなベースで演奏を始めて、自分の好みがわかってから次の一本を選ぶほうが合理的です。
安いベースは買い替えたあとも無駄にならない
最初に安いベースを買っても、上達したら使わなくなるから無駄という意見もあります。
しかし、必ずしも無駄になるわけではありません。
私が最初に使っていた安い楽器は、その後フレットレス化したり、メンテナンスや調整を試したりする実験台になりました。
自分の手で楽器を触ることで構造への理解が深まり、たくさんのことを学べました。
サブベースや改造用として残しておくなど、2本目を買ったあとにも使い道はあります。
初心者セットをおすすめしない人
反対に、次のような人は初心者セットにこだわる必要がありません。
- すでに欲しいベースが決まっている
- 憧れているベーシストと同じモデルを使いたい
- 予算に余裕がある
- アンプや周辺機材を自分で選びたい
本当に欲しい楽器があるなら、安いモデルで妥協しないほうが良い場合もあります。
私自身、妥協して別のものを買ったものの、結局最初に欲しかった楽器を後から買い直し、出費が増えたことが何度もあります。
憧れの楽器を持つことは、練習のモチベーションにもなります。
予算に無理がなく、「これが欲しい」と決まっているなら、初心者だからという理由で諦める必要はありません。
失敗しないベース初心者セットの選び方
1.最初は見た目で選んでOK
最初の一本で一番大切なのは、見た目です。

色や形を見て「このベースが好き」と思えるかを最優先にしてOK。
色や形を見て「このベースが好き」「手に取りたい」と思えるかを優先してください。
見た目が好きになれないと愛着を持ちにくく、練習も楽しくありません。
私が最初に買ったベースは、中古で3万円ほどのYAMAHA BBVIでした。
先にヤマハのギターを使っており、ヤマハはコストパフォーマンスが良いと感じていたため、少ない予算の中で一番良いものを選んだつもりです。
音には満足しています。今でも弾く機会がありますが、ベースらしいしっかりした音がします。
それでも一つ後悔したのが、真っ黒なボディの色でした。
当時から自分の好みではなく、あとになって「もっと好きな色を選べば良かった」と思いました。
音の違いがまだわからない初心者だからこそ、見た目を優先して良いです。
2.極端な安さより、メーカーと販売店を見る
同じくらいの価格なら、無名ブランドと楽器店のオリジナルブランドで品質に決定的な差があるとは限りません。
ただ、楽器店のオリジナルブランドは、その店の評判にも関わる商品です。
出荷前の確認や購入後の相談まで考えると、初心者には安心感があります。
個人的には、これまで利用した中では島村楽器が初心者でも入りやすく、店員さんも親切丁寧でした。
店頭なら、うまく弾けなくても店員さんに音を出してもらえます。
通販でも、楽器店が販売する商品なら問題ありません。私も楽天に出店している楽器店からベースを購入したことがありますが、十分に梱包され、状態にも問題はありませんでした。
3.付属品の数に惑わされない
「10点セット」「15点セット」と書かれているとお得に感じます。
しかし、ピックやクロスまで一点として数えている場合があり、点数の多さが品質を意味するわけではありません。
本体、アンプ、スタンド、チューナー、シールド、ストラップがあれば十分です。
余計な小物が大量に付属して、その分やたらと高価になっているセットは避けましょう。
4.アンプは練習環境に合わせる
自宅でスピーカーから音を出せるなら、小型のベースアンプ付きセットがわかりやすいです。
夜間に練習することが多い人や集合住宅に住んでいる人は、ヘッドホン端子の有無を確認してください。
アンプを置く場所がないなら、楽器に直接つなぐヘッドホンアンプも便利です。
私は初心者のころ、最初から少し良いヘッドホンを買っておけば良かったと思っています。
長時間練習しても耳や頭が痛くなりにくいヘッドホンなら、練習の負担も減らせます。
5.届いたらすぐに状態を確認する
通販で購入した場合は、届いたまま長期間放置せず、早めに状態を確認しましょう。
✔︎確認したい項目
- アンプにつないで音が出るか
- 4本の弦すべてから音が出るか
- ボリュームやトーンが動作するか
- ペグが曲がっていないか
- ネックやボディに大きな破損がないか
- 弦を押さえたときに手が痛くないか
細かい傷なら演奏に影響しない場合もあります。
しかし、音が出ない、ペグが曲がっているなど明らかに演奏へ支障がある場合は、自分で直さず販売店へ連絡してください。
初心者におすすめしたいベース3モデル
初心者セットは販売店によって付属品の組み合わせが違います。
そのため、セットの点数だけではなく、中心となるベース本体から選ぶのがおすすめです。
| モデル | 本体価格の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| BUSKER’S BJB-Standard | 3万円前後 | できるだけ予算を抑えたい人 |
| Bacchus BJB-1-RSM/M | 3万円台前後 | 価格と作りのバランスを重視する人 |
| YAMAHA BB234 | 4万5千円前後 | 少し予算を増やして長く使いたい人 |
※実売価格はカラー、セット内容、販売店によって変わります。
低予算で始めるならBUSKER’S BJB-Standard
BUSKER’Sは島村楽器のオリジナルブランドです。
BJB-Standardは、色々なジャンルに使いやすい定番のジャズベースタイプ。
現在のモデルは、握りやすい細めのネックや、両端を丸くしたフレットを採用しています。ギグケースが付属し、保証期間は1年です。
島村楽器ではアンプ付きやヘッドホンアンプ付きなど複数のセットが販売されているため、練習環境に合わせて選べます。
私が以前弾いたBUSKER’Sの安いプレシジョンベースタイプとは別の現行モデルですが、楽器店で相談しながら低予算でそろえたい人には選びやすい候補です。
価格と品質のバランスならBacchus BJB-1-RSM/M
Bacchusは、初心者向けの価格帯でもおすすめしやすいブランドです。
BJB-1-RSM/Mは定番のジャズベースタイプで、ローステッドメイプルのネックを採用しています。
初心者セットとして扱う楽器店も多く、アンプ付き、ヘッドホンアンプ付きなど選択肢が豊富です。
本体のカラーも複数あるため、見た目を重視して選びたい初心者にも向いています。
>>Bacchus BJB-1-RSM/Mの初心者セットを確認する
少し長く使いたいならYAMAHA BB234
予算に少し余裕があるなら、YAMAHA BB234もおすすめです。
プレシジョンベース系とジャズベース系のピックアップを組み合わせたPJタイプで、シンプルながら音色を変えやすいモデルです。
本体価格は税込4万5千円前後。初心者セットにするともう少し高くなりますが、社会人が最初の一本として選ぶ価格帯としては現実的だと思います。
私自身、最初のベースも2本目もヤマハでした。
最初に買った中古のBBVIは、20年ほど経った今でもベースらしいしっかりした音がします。
ブランドへの安心感や、長く使える一本を重視するなら有力な候補です。
新品の初心者セットと中古ベースはどちらが良い?
同じ予算なら、中古ベースを選ぶのもおすすめです。
私は最初のYAMAHA BBVIを中古で購入しました。
中古なら、新品の初心者モデルと同じ予算でワンランク上のベースを狙える場合があります。
楽器店で販売されている中古品で、演奏できないほどひどい状態のものを私はほとんど見たことがありません。
ただし、中古の場合はアンプやチューナーなどを別にそろえる必要があります。
- すぐに一式そろえたい人:新品の初心者セット
- 同じ予算で本体の質を上げたい人:楽器店の中古ベース
初心者が中古を買うなら、状態を確認している楽器店から購入するのが安心です。
メルカリなどの個人売買は、ネックや電装系の状態がわからない場合があるため、最初の一本では慎重に考えましょう。
通販で初心者セットを買っても大丈夫?
楽器店が販売しているものなら、通販で購入しても全然OKです。
初心者は店頭へ行っても、自分で試奏して音や弾きやすさを判断するのが難しいもの。
無理に店舗で買わなければいけないわけではありません。
私も楽天経由でベース本体を購入した経験がありますが、普通のネット通販と同じ手続きで、十分に梱包された状態で届きました。
一方、実店舗へ行くと店員さんに相談でき、ベースの音も聞かせてもらえます。
楽器店へ足を運ぶことで「音楽の世界に踏み込んだ」という実感が湧き、やる気につながる良さもあります。
近くに入りやすい楽器店があれば店舗、なければ大手楽器店の通販という選び方で良いと思います。
初心者セットについてよくある質問
初心者セットは何点セットを選べば良い?
点数ではなく、必要なものが入っているかで選びましょう。
本体、アンプまたはヘッドホンアンプ、チューナー、シールド、ストラップ、スタンド、ケースが目安です。
ピックやクロスはあれば便利ですが、付属品の数を増やすためだけの小物は重視しなくてOKです。
2万円以下のベースでも大丈夫?
普通に演奏できるものはありますが、個人的には少し慎重になる価格帯です。
極端に安い無名の商品を選ぶより、楽器店で状態を確認してもらえるモデルをおすすめします。
2万円以下のベースがすべて悪いわけではありませんが、価格が極端に安くなるほど個体差や仕上げは気になります。
ジャズベースとプレシジョンベースはどちらが良い?
迷ったら、音を変えやすく色々なジャンルに使いやすいジャズベースタイプが無難です。
ただし、最終的には見た目が好きなほうで構いません。
ロックらしい見た目や太い音が好きなら、プレシジョンベースタイプを選ぶのも良いでしょう。
最初から5万円以上のベースを買っても良い?
もちろんOKです。
私が今の知識を持ったまま初心者に戻るなら、社会人である程度予算もあるため、5~7万円ほどのベースを選びます。
ただし、10万円になると最初の一本としては少し高いと感じます。
予算や価値観は人それぞれなので、無理なく出せる範囲で、見た目が気に入ったものを選んでください。
まとめ|初心者セットはダメではない。最初は見た目で選ぼう
初心者セットはダメと言われることがありますが、正直なところ全然ありです。
むしろ、予算が少なく、どんな機材をそろえれば良いかわからない初心者に向いています。
✔︎初心者セット選びのポイント
- 最初の一本は好きな色や形を優先する
- 付属品の点数ではなく内容を見る
- メーカーと販売店の安心感を確認する
- 小型アンプやケースは、必要になったら買い替えれば良い
- 明らかな破損や音が出ない場合は販売店へ相談する
私が初心者に一本選ぶなら、まず楽器店の初心者コーナーで見た目が気に入ったものを探します。
可能であれば自分で試奏し、まだ弾けなければ店員さんに音を出してもらってから決めます。
最初から音の細かい違いや木材の種類まで理解する必要はありません。
見た目が好きで、思わず手に取りたくなる一本が、初心者にとって一番良いベースです。

初心者用だからと遠慮せず、まずは見た目が好きな一本を選んでみてください。
まずは無理のない予算で始めてみて、音の好みや欲しい機能がわかってきたら、2本目に少し良いベースを選びましょう。



















初心者セットは全然あり。むしろ予算が少ない初心者にこそおすすめです。