「粉瘤があるけど病院いったほうがいいのかな・・」
「粉瘤の手術ってどんな感じなんだろう」
✔︎この記事の内容
最初に結論から言います。粉瘤が少しでも痛み出したらすぐに病院に行ってください。
悪いことは言わないから病院に行ってください
私は背中に粉瘤があり、当初ピンポン球くらいの大きさと思われていましたが、体の内部で大きくなっておりなんと8cmもの特大サイズであることが手術中にわかりました。
そしてそれを取り除くのがマジのガチで痛いです。手術後も傷口が痛くて何もできません。
もう少し早く受診していればとメチャクソに後悔しましたが後の祭りでした・・。
とにかく最悪な体験だったわけですが、2〜3日してだいぶ痛みも引いてきたので体験記を書いてみようと思います。(思い出すのも嫌ですが。。)
手術から2年ほど経過しましたが、ガッツリ傷跡が残りました・・。
その後、また背中が痛んだので急いで病院に駆け込んだらニキビでした。↓
粉瘤とニキビの見分け方についてまとめました。
目次
粉瘤(アテローム)について
そもそも粉瘤ってどんなものなんでしょう。ネットでかじった知識をまとめてみます。
粉瘤発生のメカニズム
粉瘤は毛穴などの内部の炎症をきっかけとして、本来皮膚の表面にできる角質や垢が体の内側にできてしまうことによって起こるものです。
何らかの原因で皮膚の角質が体の内側にでき袋となる
皮膚細胞なので袋に代謝物(垢)がたまる=粉瘤
袋に細菌が入ると炎症し痛むようになる
※素人によるネット知識まとめ
体内にできてしまった角質や垢は体の中にたまり、嚢胞(膿の入った袋)となってしまいます。
潰すと臭いあれのこと
粉瘤のやっかいなところは、粉瘤自体の細胞が角質を新たに生み出すために徐々に肥大化していくことです。
基本的には嚢胞を摘出しない限り完治しないので治そうと思ったら病院にいくほかありません。
炎症を起こさない限りほとんど痛みもないので、多くの患者さんが痛んでから初診を受けることになるようです。
炎症すると治療に時間がかかる
粉瘤に何かのきっかけで細菌などが入り込むと、炎症を起こし痛みを感じるようになります。
今回お世話になった先生に言われましたが、粉瘤は炎症し膿んでしまうと手術にも余計に時間がかかります。
早く治療するべき理由がこれ!
粉瘤の状態による手術の手間
炎症するまえであれば、袋のままヌルッとまるごと取り除くことができ手術も簡単に済むそうです。
しかし、炎症し膿んでしまうと袋と周りの肉が癒着してしまい、これを剥がすのが大変になります。
私の場合もやはり周りと癒着していたため、粉瘤の袋を引っ張りながらハサミでチョキチョキと少しずつ切り離していくという地獄の方法で取り除くことになりました。
8cm巨大粉瘤の摘出手術した体験記
ここからは私自身が粉瘤を取り除く手術を受けた様子をお話していきます。
読んでいるあいだに怖くなってきた方は、そのまま病院に行く予定を立てましょう。
炎症したときの症状
私は背中に粉瘤がありました。
大きさはピンポン球くらい。ボッコリ膨れているがわかるくらいの大きさ。(のちにもっと大きかったことがわかりました)
粉瘤があるとわかったのは3年ほど前で、自分では見えない場所だったので人に言われて気がついたくらいでした。
長い間痛みもなかった
ネットで調べても気にならなければ放っておいてもOKという情報も多くそのまま放置。
しかし、ある時ふと違和感を感じるようになったころから、2〜3日の間にみるみるうちに赤く腫れひどく痛むようになってしまいました。
何をしていても常にズキズキと痛むようになっていき、ついには夜も寝られないほどに悪化してしまい、ここで初めて病院にいくことにしました。
すぐに病院に行かなかったこと。
病院は何科?←皮膚科にいこう
粉瘤は皮膚科に診てもらうのが基本です。
しかし、調べてみると粉瘤治療と銘打っている医院も多くあります。
粉瘤は治療自体はそれほど難しくなさそうで、大きな病院でなくとも治療が受けられるようです。
とはいっても少しでも得意なところに診てもらいたいもの
そこで私は少々家から遠かったのですが、ホームページで粉瘤の治療実績を紹介している病院に行くことに。大きな総合病院ではなく町の医院です。
結果的に、先生も手慣れた様子で診断から処置までスピーディに対応してもらえたので、正解だったのかなと思います。
病院のウェブサイトで粉瘤の治療ができるかチェックしておくと安心
診療の様子
あまりにも痛みが酷かったので、会社を休みすぐに病院に行きました。
診療はとても簡単で、先生に患部を見てもらうとすぐに「これは粉瘤だね」と一言。
これは粉瘤だね
やっぱりか
粉瘤で診察を受ける患者さんは多いらしく、この病院ではその日だけで4人も手術をしたらしいです。
患部の触診を行い、どのくらい腫れているか、痛みがあるか、症状はいつからか、などを少しばかり確認すると、すぐに治療方法について説明をされました。
この辺りは流れ作業のごとく速やかに進んでいきます。
炎症し膿んだ場合の治療方法
粉瘤の治療方法は、基本的には手術によって膿の詰まった嚢胞を摘出するしか方法がありません。
皮膚に穴を開けて粉瘤を袋ごと取り除く方法が多く、「くりぬき法」と呼ばれる方法で、傷跡が残りにくいなどのメリットがあります。
炎症を起こしていない状態であれば、するっときれいに取り除けるそうですが、炎症を起こしているとそうはいきません。
✔︎膿んだ粉瘤の手術方法
- 患部に穴を開ける
- 手で圧迫し膿を絞り出す
- 中にのこった袋を除去する
膿んでしまった場合は、一度中の膿を出し、そのあとで袋を取り除くという二段構えのやり方になり、場合によって手術を2回にわけることもあるそう。
診察でこんなことを一通り説明されたあと、先生は少々悩んだあとに「今日、全部とってしまおう」とまた一言。
診察を行った流れでそのまま手術を行い、膿も袋も全部とってしまうことになりました。
まさか初診で手術になるとは思っていなかったのですが、何度も通院するのも大変なのでありがたいです。
手術の様子
手術着などもなく、上半身だけ脱いでベッドにうつ伏せになるように言われました。どうやら診察室のベッドで手術を行う様子。
どうみても普通の診察室で、衛生管理とか大丈夫なのだろうかと一瞬心配しましたが、すこし背中を切るくらいこの程度で問題ないのでしょう。
その後、様々な道具の載った台車や、移動式の照明などが準備されていき即席手術台が作られていきました。
局所麻酔を打つ
しばらくうつ伏せのまま待っていると先生がやってきて、局所麻酔を打たれました。
化膿した患部は麻酔が効きにくいということで、念入りに6本くらい打たれましたが、一発一発が痛いのでこの時点で少しダメージを受けます。
形だけの説明だろうな。と聞き流していたのですが、このあとめちゃめちゃ追加することになりました・・。
くりぬき法 まずは膿を絞り出す
麻酔が効いていることを確認し、患部に〜1cm程度の穴を開けます。(のちに3cmほどの穴に広げられました。)
麻酔が効いているので痛みはありません。
この記事を書いている時点で術後3日目ですが、背中にはぽっこり穴が開いている状態です。痛みは少ないですが、傷口から体の内側が丸見えなので見た目はかなりグロテスクです。
患部に穴を開けたら、まずはそこから膿を絞り出します。
何か装置を使って吸い出すとかではなく、手でぎゅーっと押し出します。
多分麻酔の効いていない部分まで圧迫されているからだと思いますが、思わず声がでるくらいに痛いです。
途中で絞り出した膿を見せてもらいましたが、白くて若干血の混じっていて臭い。あの臭いです。
私はうつ伏せでいたので臭いはほとんどしませんでしたが、先生は鼻の曲がる思いだったはず。
8cmの粉瘤 大きさに気が付く
力を入れてぎゅーぎゅー膿出ししていきますが、いつまでも膿が出てきてなかなか止まらない様子。
どうやら、かなりの大きさであることがわかってきました。
8cmといったら小ぶりのリンゴくらい。めちゃめちゃでかい。
外から見ただけだとピンポン球くらいかな、と思っていましたが、体の内側で見た目以上に大きくなっていました・・・。そりゃ痛みがひどいわけだ。
時計がなかったので正確にはわかりませんが、3分くらい背中をぎゅーぎゅーやられていたように思います。
炎症した粉瘤をハサミで分離除去 ←肉を切られる恐怖
一通り膿を出し終えたら、残った袋を取り除く作業になります。
粉瘤は炎症してしまうと袋が周りと癒着し、簡単には取れなくなってしまいます。
痛みを感じてから3日目くらいに受診をしていますが、やはり炎症が進んでいたようでほとんど全周で癒着していました。
癒着した部分はハサミを使って分離していくのですが、ここからが地獄でした。
袋と肉の境目にハサミを入れてチョキン。これを繰り返して行きます。
麻酔が効いているので痛みはないですが、サクッと自分の肉が切られていく感覚だけはしっかりと伝わります。これだけでもう恐怖がヤバいです。
切られるところを見るのも怖いですが、自分で見えないのも恐怖です。正直こんなに怖いと思わなかった。
炎症部分は麻酔が効きにくい ←いつくるかわからない痛みの恐怖
恐怖に怯えながらもチョキチョキと切り離し作業が進んでいきます。
できるだけ意識を別のことに向けようと頑張っていましたが、あるところで突如、針で刺すような痛み。
手術前に説明されていた「炎症部分は麻酔が効きにくいので手術中に追加するかも」という説明。
真に受けていませんでしたが、本当に麻酔が効いていない部分があることがわかりました。
全く麻酔が効いていないわけではないので、針でチクリとやられるくらいの痛みです。(それなりに痛いです)
いつ痛みがくるかわからない恐怖に怯えながら切られていくことになります。
結局このあとも麻酔の効いていない部分をちょくちょく引き当て、5〜6回くらい追加されました・・。
手術が終わるころには全身脂汗だらけで、心身ともにやばい状態だったことを実感しました。
袋を引っ張られるのが地味に痛い
チョキチョキと並行して、袋を剥がすために袋側をグイグイと引っ張っていきます。
しかたがないことなんですが、引っ張られるのもまた痛いです・・。
先生のさじ加減なのか、そういう部分だったのか、やたらと痛いポイントがあって度々作業ストップしていました。
麻酔で感覚が鈍っていても、袋が皮膚にへばりついている感覚がわかるので、残り少なくなると感覚でわかります。
体力消耗しきっている状態の中で感じる終わりの気配。光見えます。
手術時間はおよそ20分
袋が分離、取り除けたら、傷口の止血処置などをして手術完了。
このときの解放感と安心感は一生忘れられないでしょう。
摘出された袋は、膿を出し切ったあとにもかかわらず4cmもの大きさがありました。
当初1cm程度の穴になる予定だった傷口は、いつのまにか2〜3cmに広げられており・・。それくらい大きかったとのことです。
笑われながらも写真OKしてくれました。手術室ならNGだったと思うので診察室で良かったと思った瞬間。(グロテスクなので写真は載せません)
手術の所要時間についてですが、患部に穴を開けてから摘出完了までおよそ20分くらい掛かっていたようです。
麻酔や、止血なども含めると30〜40分くらいでしょうか。体感的にはもっと長かったように感じます。
止血しガーゼを貼られるとおしまい。そのままお会計して帰宅です。
手術後の経過
手術当日
手術を終えたその日は痛みで何もできません。
それどころか、手術直後は体力消耗でふらつくこともあったので、術後気分がわるくなったら病院で休ませてもらった方が良いでしょう。
私は病院を出た後に気分が悪くなってしまい駅のホームで休憩するはめになりました。
私は車で病院まで向かいましたが、痛みが酷く車の運転もできない状態。仕方がなく、コインパーキングに止めたまま電車で帰りました。
手術当日はお風呂NG、お酒もNG。痛み止めと抗生物質を飲んでひたすら我慢です。
2〜3日目
二日目になると痛みも引いてきて車の運転もできるようになりました。
午前中に病院で経過を見てもらい、午後からは仕事にも復帰しました。
私はオフィスワークだったので問題ありませんでしたが、肉体労働系の仕事だと少々厳しいかもしれません。
まだ若干の痛みはあるものの日常生活の不便はなくなります。
感染防止の軟膏薬を患部にぬりながら、細菌感染などに注意をはらいながら傷口の回復をまちます。
傷口はグジュグジュですが、防水ガーゼを貼ったままシャワーを浴びることもできます。
背中が患部でしたが、仰向けで寝ることもできました。(初日はうつ伏せで寝ました。)
4日目〜
ほとんど痛みもなくなり、いつもの生活に戻ります。
傷口の様子をみながら、感染防止の軟膏から治癒用の軟膏へと薬の種類を変えつつ、引き続き自然治癒を待ちます。
軟膏は優肌パッドに塗り、それを患部に貼るようにします。
この頃から患部を水洗いできるようになります。ガーゼも防水タイプではなく普通のもので良くなります。(防水タイプは高いです)
一人暮らしなどで、患部の場所によって自分で薬やガーゼが貼れない場合は、こんなアイテムが使えるかもしれません。
くりぬき法のため、傷口を縫い合わせなどは行わず、ぽっかりと3cmほどの穴が開いている状態です。
傷口が丸見えで気持ちわるいですが、痛みなく、普段は優肌パッドを当てているので何か入り込む心配もありません。
一ヶ月後
およそ一ヶ月でほぼ完治しました。
4日目から完治するまでは、ひたすらに毎日軟膏とパッド交換を行うのみです。
随分と大変な目にあいましたが、無事に完治してよかったです。
手術費用は? ←およそ16000円
手術費用はトータルでおよそ16,000円ほどでした。
初診料なども含まれておりますので、手術費だけでいうともう少し少ないと思われます。
このほかに、薬代や手術後の通院などもありますので全て合わせると20,000〜25,000円になるものと想定されます。
安くはない金額ですが想像よりは少なかった印象です。
通院回数は? ←6回でした
通院回数は症状によって様々だと思いますが、傷の大きな私の場合でおそらく10回ほどになるものと見ています。 結果、6回の通院で済みました。
手術含めてすでに4回診察を受けており、今後は期間を開けながら傷口の治癒を経過観察するということなので、1〜2ヶ月で完治するとして1,2周ごとに通院すると10回くらいかなぁ。もう少し増えてしまう気がするかも
一度傷口が塞ぎ始めたら、その後は1〜2週間ごとに見てもらうだけです。傷口もおよそ1ヶ月で完治できました。
手術後にあると便利なアイテム
自分の経験から、こんなグッズがあれば便利かなというものをピックアップして紹介。
✔︎粉瘤手術後にあったら便利なアイテム
うつ伏せ枕
私のように背中に粉瘤ができた場合、痛みで仰向けで寝られないのでうつ伏せ専用の枕があると便利。
ドーナツクッション
椅子に座ったり、背もたれに寄りかかったりするときに、患部を逃がせる穴が空いたクッションがあると痛まない。
体拭きタオル
少なくとも手術当日はお風呂に入れないので、体拭きタオル、ボディシートがあった方がいいです。
あとがき
以上が巨大粉瘤の摘出手術の全容になります。
痛いとか辛いとか散々脅かしましたが、かなりガチです。もう二度と勘弁してほしい。
最初にも言いましたが、もう一度言わせてください。
痛んだら早めに病院行った方がいいです。いや、痛む前に取っちゃった方がいいです。
私は手術を受けながら、先生から「もう2日早ければね〜」と言われました。
痛みだしてからでもすぐに手術ができれば間に合います。
自然に治ることはないと知っていながら、ギリギリまで我慢してしまった結果バカを見ました。
あとちょっと早く受診していれば簡単に済んで終わっていたのかもしれないと思うと後悔するばかりです。
粉瘤がちょっとでも痛んだらすぐに病院いこう。
そんな疑問へ、粉瘤の摘出手術を受けたわたしの体験談をお話しします。