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マスターリズム譜のブログ掲載は許諾必要か? 著作権管理団体に実際に譜面を見てもらい見解を頂いた

master rhythm score




音楽系のブログやサイトを運営していく上で気になるのが著作権関係。
当ブログでもマスターリズム譜の作成方法を説明する上で実際の楽曲の譜面を掲載したい状況がありました。

JPOPで学ぶマスターリズム譜の作成方法。5ステップの手順をひとつずつ画像付きで解説!

しかしネットで調べてもコード譜はOKという記事(これも真偽はわかりませんが・・)はありますが、これにリズムが加わったマスターリズム譜になると全く情報がありませんでした。

勝手に公開して後になって問題になるのは絶対に避けたいですので、直接著作権の管理会社に問い合わせみました。




知らなかったでは済まない。後から楽曲使用料を請求されることも

著作権とは皆さんご存知のとおり楽曲の制作者を守るもので、それを守るためのルールが著作権法です。

もしも著作権法がなければ皆が好き勝手に曲をコピーして販売してもそれを制することができなくなります。そんなことになれば本来製作者に入るはずの利益が無くなってしまい、利益がなければ音楽を作り続けることもできなくなり音楽文化そのものが衰退してしまいます。

JASRACやNextoneなどの著作権管理会社は、楽曲の使用者が著作権に違反していないかを日ごろ監視しております。

随所で話題になるように時にはスパイ的に店舗の抜き打ち調査を行うなど、当然ブログ等のウェブサービスにも監視の目を向けているはずです。

知らないうちに権利を侵害し、後になって使用料を請求される事例もあるようなので音楽を取り扱う場合にはどこまで申請なしに使用できるのか、どこから申請が必要なのかを最初に確認しておくべきです。

このあたりは一音楽ファンとしても著作権はしっかりと守りたいところです。

”曲そのもの”はもちろんYoutube公式動画の埋め込みもNG

管理会社に問い合わせる前にネット上で色々と調べてみましたが、そのなかでちょっと驚いたのがyoutubeなどの動画は例え公式配信だろうとブログ等への埋め込みはダメということです。

公式動画ならば使用OKな認識があったのは私だけでしょうか。だって自ら無料公開しているものですから勝手に使ったところで別にいいじゃんって思いますよね。

アドセンスのポリシーなどでも公式動画ならばOKというのをどこかでみたような気がしますが、それも実は著作権とは無関係だったんですね。

ついついやってしまいがちですが・・・

 

ネット上の噂 楽譜はコードだけならばOK?

楽譜関係について事前調査の中でもっとも多い意見だったのが、「コード譜だけならばOK」というものです。

後述しますが、結果的にこれは正解でした。

その理由は大きく2つあるようです。

  1. コード進行は音楽の理論上多くの楽曲に共通してしまうため。
  2. コード進行だけでは楽曲が再現できないため。

確かにコード進行というのは自然に聴こえる流れというものが決まっています。初めて聞く曲なのに何となく耳にしたことがあるように思ったり、知らない曲でも次の音が予測出来たりするのは、既存の曲のかなりの部分が少しづつ似ているパターンで出来ているためです。

もしもコード進行を著作権にしてしまうと、誰かが一度使ったコード進行が使えなくなってしまうので、新しい曲ほど不協和音の気持ち悪い曲になってしまい現実的に難しいという理由なのだと推測されます。

また、2つめのコード進行だけでは楽曲が再現できない。という理由も納得です。

コード進行だけわかっていても、メロディがなければ”その曲”として認識されないはずです。コード進行だけ聞いて曲が思い浮かぶのはもともとその曲を知っているからであって、例えば何も知らない外国の曲を、そのコード進行だけでメロディを当てることは出来っこありません。

マスターリズム譜のブログ掲載について著作権管理会社へ聞いてみた

JASRACとNexTone 質問と回答

色々な情報はありますが著作権管理会社の公式サイトを見ても楽譜の権利関係のガイドライン等は見つからず、見る限り公式で明言しているものは見つかりません。

ここは思い切って問い合わせフォームから直接、著作権管理団体のJASRACとNexToneに質問してみました。

マスターリズム譜の掲載を考えたため、ポイントを絞った質問になっています。

ちなみに「JPOPで学ぶマスターリズム譜の作成方法。5ステップの手順をひとつずつ画像付きで解説!」記事で掲載位しているマリーゴールドの楽譜を質問メールと一緒に送付してみてもらっています。

JPOPで学ぶマスターリズム譜の作成方法。5ステップの手順をひとつずつ画像付きで解説!

質問メール

個人ブログにJPOPなどの既存流通曲のマスターリズム譜を公開することを考えておりますが、この場合著作権の侵害になるのでしょうか、また楽曲の使用料はかかるのでしょうか。

マスターリズム譜は、曲のタイトル、アーティスト名とともにコード進行と楽曲の構成(Aメロ、Bメロなど)、一部のリズムがわかるもので、メロディや歌詞は記載されません。

またブログには広告が張られております。

JASRAC回答(要点まとめ)

・楽曲を構成するのは「メロディ」「リズム」「ハーモニー」の3要素であり、譜面の形式であってもコード進行のみであれば許諾対象にはならない。
・マスターリズム譜など、コード進行+リズムになると3要素を満たしているか判断が難しい。
・適法的に音楽著作物を使用する観点から判断が難しい場合は許諾手続きを行うことを勧める。

NexTone回答(要点まとめ)

メロディー、歌詞等が使われる場合には利用許諾が必要。
・コード譜の内容から具体的な楽曲が特定できない場合は利用許諾は不要。
今回の楽譜では具体的な楽曲が特定できないため、利用許諾は不要。

とても丁寧でわかりやすい回答をもらうことが出来ました。

ちなみに「マリーゴールド」の楽譜管理はJASRACではなくNexToneが行っているようで、JASRACの回答はあくまで一般論としての回答となりました。

ひとつづつ詳細を見て行きましょう。

「コード進行だけならばブログ掲載は可能」は本当だった

まずコード進行の掲載については2社ともに許諾対象ではないと明言をもらうことができました。

多くのサイトで説明されているようにコード進行だけでは楽曲とは言えないというのが理由のようです。コード進行の解説や分析などを行うサイトならば著作権を気にすることなく掲載することができることになります。

コード進行だけでも曲構成(Aメロ、Bメロなど)が詳細に記載されていたり、譜面の形式だとダメじゃないかと思っていましたが、そんなことはなく譜面の形式でもコードだけなら許諾は不要とのことでした。

マスターリズム譜のブログ掲載は一部の例外を除いてOK…?

肝心のマスターリズム譜についてですが、NexToneからは今回の楽譜はOK、JASRACからは一般論として判断が難しいという回答でした。

マスターリズム譜に記載されるのは「コード進行」と「リズム」だけです。メロディが入っていないので、曲の3要素は満たしていないはずなのですが、これの判断が難しいというのは言葉の裏がありそうです。

これは私の推測ですが、リズムが著しく特徴的でその曲特有のオリジナリティの高いものである場合に著作物と判断される可能性があるのだと思います。この場合例えコードとリズムだけであっても著作物使用の許諾を得る必要があるのではないかと。

おそらくこの辺が「楽曲が特定できる」か否かのポイントになりそうです。

例えばジャズスタンダードのスペインという曲は数小節にわたる非常に特徴的なリズムがあります。しかもメロディとリズムがユニゾンするため、そのリズムは曲を構成うえで必要不可欠な要素であり、特徴量が高いと言えそうです。

ポップスに置き換えても、たとえばUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」という曲中にはやはり長尺のメロディとリズムのユニゾンパートがあり、これも同様にリズム自体が著作物と判断される可能性がありそうです。

一方で、多くの楽曲はそれほど特徴的なリズムというのはないと思います。今回のマリーゴールドでも若干のキメのリズムがありこれを譜面に乗せていましたが、問題がないという判断でした。この程度で良いならば大抵はOKでしょう。

おそらくほとんどの曲はOK。でも明らかに特徴的すぎるリズムのある曲についてはNG。というのが回答を受け取っての私の印象です。

それでも心配ならば都度確認を取るしかない

許諾が必要か不要かおおよその線引きは出来たように思いますが、それでもすべてが白黒はっきりしたわけではありません。たぶん大丈夫だろうと思っても場合によってはNGということも十分に考えられます。

安心して使用したいならば使用許可を申請し使用料を支払う他ないようです。