社会人バンドを長続きさせることは難しいといいますが、本当でしょうか。
私の経験でいうならば、答えはYESです。
私はこれまでに10の社会人バンドに参加してきましたが、ほとんどが発足後1年持たずに解散しています。
現在続いているバンドは一つだけなので、90%のバンドがなんらかの理由により解散していることになります。
一方で今のバンドは7年以上も活動してたりもします。
色々と見てきたなかで感じた、社会人バンドを長続きさせるためのコツみたいなものを書いてみようと思いますので、これからメンバー探す方、バンドを探している方はこんなところに注目してみると良いメンバーとの出会いがあるかもしれません。
募集側と、加入者側の両方の視点がごっちゃしてますが、うまく読み取ってください。
目次
社会人バンドを長続きさせるための7つのヒント
大前提。活動方針はちゃんと共有しておく
そもそものバンドの活動方針について。
活動方針というのは、どのくらいガチでやるのかということです。
ガチのガチは「プロ志向」ですが、おそらく社会人バンドでプロを目指す人は少ないと思います。
プロ志向の対になるのが「アマチュア志向」。私たちはこっちです。
さてアマチュアといっても活動内容は様々。
・定期的にライブをやっていくのか、スタジオで合わせるだけなのか。
・曲はコピーなのかオリジナルか。
バンドを長続きさせるためには、まず目標や活動頻度はどうしていくのかメンバーと共有できている必要があります。
よくある月1〜2回程度スタジオに入って、半年に一回くらいライブをやりたい。といった感じの話を早い段階でしておきましょう。
目標の一つとしてオリジナルCDの制作をオススメしてみます。
残る形でアウトプットできるので、やった感がありますし、ジャケットデザインなどを作る工程も面白いものです。
やる気になればm3などの即売会などで販売することもできるので、企画、販売といった社会人ならではの経験も活かせます。
文化祭のノリが好きな方なら楽しめると思います。
メンバーの年齢は近いほうがいい
一緒に活動するメンバーは年齢の近い方が何かとやりやすいです。
メンバー同士が対等に言い合えるほうが良いでしょうが、年齢が離れているとモノを言いにくくなってしまいます。
あんまり年上だと、話のテンポが合わなかったり、内容も噛み合わなかったり、音楽の趣味が合わなかったり、大きなトラブルになることは少ないですが「何かちがう・・・」なことになりがち。
できるだけ年齢の近いメンバーで集めた方が無難です。
とはいっても社会人バンドはただでさえメンバー集めが大変なもの。
多少の幅はもたせて+10歳くらいを目安に上限を決めておくくらいがちょうど良い感じです。
バンド内恋愛の問題はだいたい起こる
バンド内恋愛の問題で解散した・・・なんて話本当にあるんでしょうか。
これホントにあります。
悲しいくらい良い年した大人が色恋沙汰でギスギスして周りに迷惑かけまくります。
過去に私が在籍した10バンドの中で男女混合バンドは8つ。うち何らかの恋愛問題があったのは4つなので、トラブル率は50%。
(20代中心のバンドが多かったとはいえ、結構な確率で問題が起こります。)
バンドの出会いが一生ものとなる可能性もありますので、一概にバンド内恋愛を否定はできないのが悩ましいところ。
すべて当事者の責任のもとで頑張ってもらうしかないです。
対策としてできるのは、明らかに出会い目的な不届きモノを排除してやるくらいです。
男性限定や、女性限定とするも手ですが、個人的にはあんまり性別の縛りは設けたくないです。
万が一トラブルになってしまった場合、多くの場合どちらかは脱退することになるので、こっそり変わりのメンバーを探す準備を始めましょう。
初心者歓迎のリスク
年齢も経験も異なるメンバーが集まると、演奏技術にも差がでてきます。
多少のレベル差は許容できる懐の広さを持ちたいものです。
しかし明らかにバンドのレベルについて来れないならば、最初の時点でお断りすることも大切です。
時々、「やる気だけはあります!」な脳筋タイプがいますが、だいたい気合いだけじゃどうにもならないです。
少なくともメインを任せることはオススメしません。
「楽しむことが目的だから問題ない。」といった場合でも後々になって多方から不満が出てきがちです。一度冷静になりましょう。
少々気が引けるかもしれませんが、共倒れする可能性もあります。
できるだけ、”それなりに任せられそうな”メンバーを集めることをオススメします。
下記するセッションバンドなどの形態で、多少メンバーが変わっても演奏が成り立つ下地ができているならば、この限りではないです。
この場合むしろ色々な人材を集めてわちゃわちゃやる方が盛り上がると思います。
住まいが遠い人は急に来なくなる
メンバーそれぞれが住んでいる場所というのも重要なポイント。
メン募を見て「ちょっと遠いけど試しに行ってみるか」からの、流れで加入というパターンが結構あります。
全ての人に言えることじゃないですが、それなりの確率であるときから急に来なくなります。
遠いのもわかる、ちょっと面倒なのもわかる、でもだったら最初から辞めておいてよ。
私の知るところでは、渋谷拠点のバンドで高崎から来る人がいたり、大宮拠点のバンドで相模原から来る人が実在しています。どちらも移動に数時間かかるはずです。
遥々スタジオにきてくれるのは大変ありがたいことですが、反面綱渡り状態であることを認識しておくべきです。
対策としてできることは、ときどきスタジオの場所を寄せてあげて、移動に不公平感がないようにするなどなど。といっても他のメンバーの都合もあるのでなかなか難しいかもしれないです。
私のバンドでも電車で2時間かけて通っている人がいますが、スタジオ代を割安にするような仕組みを作ってバランスをとっています。(たぶんとれてない)
メンバーが欠けたとき、いかにリカバリできるかが一番大事
ここまで書いた内容を全てクリアしても、社会人バンドは苦難の連続。
転勤や異動などの仕事の事情、家庭をもったり、妊娠出産などによって簡単に活動困難になります。
年齢を重ねると病気などのリスクも出てきます。
とにかくこれでもかというほど活動休止の原因があります、しかもほとんどが「そりゃ仕方ないよな・・」と言えるものばかり。
スタジオ練習にしても、ライブにしても誰かが急に来られなくなることが当たり前のように起こります。もはや全員は揃わないと考えておいた方がいいくらいです。
そんなわけで、何よりも大切なのはメンバーが揃わなかった場合のリカバリができることです。
揃ったメンバーでできるアレンジに変更する、代役を立てるなどの対応がスムーズにできるかがバンド長続きの最重要ポイントな気がします。
もっともリスクが少ないのはセッションバンド
経験的に、もっとも解散のリスクが低いのがセッションバンドです。
ここでいうセッションバンドは、アレンジに凝りすぎずにメンバーに自由に演奏してもらうタイプのバンドのことを言っています。
具体的にはリードシートやマスターリズム譜で演奏するバンドです。
セッションバンドの何が良いかというと、
- メロディだけ弾ければバックは何とかなるので、アレンジや編成変更など、欠員対応が容易。
- ソロを長めにとったり、多人数で回したりして曲の尺を稼ぐことも簡単→ コアメンバーが欠けても、少ない曲数でライブを乗り切ることができる。
逆にアレンジを凝りまくったバンドだと、小回りが利かずに一人欠けるとアウトです。
セッションバンドのもう一ついいところは、同じパートを複数人バンドに加入させ、曲ごとやライブごとにメンバーを入れ替える方法がとれることです。
ベースやドラムが2人以上いる変なバンドになりますが、メンバー欠員のリスクは大幅に回避できます。
うちのバンドがこの方式ですが、やってみると結構面白いです。
しかも演奏面でも費用面でもひとり当たりの負担が減ったりするオマケつき。演奏者によって個性がでるので曲に飽きなかったりとメリット多めです。
しいてデメリットをあげるなら人が増えることによって諸々の調整が面倒になること。また、凝ったアレンジがないぶん演奏が単調になりがちです。
おしゃべり好きな人が集まるとLINEがカオスなことになるので、メリハリ付けられるかも大切です。
さいごに
社会人バンドの長続きしない理由と、長続きさせるコツについてつらつらと書いてみました。
社会人バンドにとって解散の理由はそこらじゅうに転がっています。
一度や二度うまくいかなくても諦めずにメンバー探しを続けることが、長続きするバンドをつくる唯一の方法ですので、めげずに頑張りましょう。