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【実証済み】コード譜からベースラインを作る、基本の3ステップ

baseline 3steps




ジャズなどに限らずポップスでもそうですが、コード譜だけでベースを弾けるようになりたいという方が多くいることと思います。

コード譜やマスター譜で弾けちゃうのってプロっぽくてかっこいいですもんね。

しかしコードもなかなか難しいです。
ネットなどで調べても、コードの記号や構成音などはすぐに調べられますが、実際にそれをどうやってベースラインに落とし込んでいいのか、これが悩みどころ。

私の知り合いのベーシストも同じ悩みを抱えており、「一つ一つの意味はわかるけど、どう組み合わせていったらいいのかわからない」と相談を受けました。

そこで一時間ほど説明を交えながら練習してみたところ上手くコツを掴んでくれたようで、少しの時間でベースラインを組み立てられるようになりました。

本人も納得されていた様子だったので、同じような悩みを持つ方のために記事にしてみます。




目次

コードの構成音は記号をみて判断する

コード譜で演奏するからには、コードの中身がわかっていないといけないです。しかしコードはとくかく種類が多くて覚えるのが大変です。

そもそもコードとは和音のことなので、音の組み合わせの種類だけコードの種類もあるのです。
組み合わせの種類も膨大ですので、コードの種類は実はめちゃめちゃ多いです。馬鹿正直に一つずつ暗記しようとしたらいつまで経っても終わりません。

そこでどうするかというと、コードの記号をみて構成音を判断することになります。

例えば、Cm7というコードがあったならば、

  1. C → ルートはC音
  2. m  → 3度は♭(マイナー)
  3. 7 → 7度も♭
  4. 5 → 何もないのでそのまま5度(完全5度)

といった具合に見て行きます。

mとか7とかの他にも、-9、11、aug、dimなどなど、色々な数字や記号がつくことがありますが、それぞれの意味がわかればルートに対してどの音になるのかがわかるはずです。

コード譜で演奏する上で一番大切なコードの構成音は、こうやって覚えると楽で早いです。

コードを見てベースラインを組み立てる3ステップ

STEP1 ルートと5度で弾く

コードのどの音を弾けばいいのかわからない

ここからがポイントになります。
問題はコードの構成音がわかってもそれをどうやって演奏に使えばいいのかわからない、ということです。
コードの構成音を弾いていても何かしっくりこない気がする。どの音を選んで弾けばいいのでしょうか。

ベースラインを作っていくのにもステップがあります。順を追って組み立てていけばコードだけでかっこいいベースラインが作れるはずです。

最初のステップは「ルートと5度で弾く」です。

小節の頭はルート音を弾く

各小節の頭の一発目に鳴らす音は、その小節のコードのルート音がベストです。

コードは和音の中で一番低い音にもっとも影響を受けやすく、バンドアンサンブルの中で一番低音であるベースが鳴らした音でコードがほぼ決まると言っても過言ではありません。

小節が切り替わってコードチェンジしたあとの最初の音は、新しい小節のコードとして強く印象付けられるので、ここを外すと間違ったコード進行に聞こえてしまいます。

そのため、小節の頭はルート音を鳴らすことで、オーディエンスにもバンドメンバーにも正しくコードチェンジしたことを伝える必要があります。

あえての外しでルート以外から弾き始めるテクニックもありますが、上手く使わないとバンドメンバーにも誤解や混乱を招くので慣れないうちは辞めておいたほうがいいです。

間が持たないときは5度音でフレーズ感を出す

極論、1小節ルート音で乗り切っても問題ないですが、どうしても面白みにかけますよね。

そこで5度音を入れてみると音に動きがでるので、フレーズ感が出てきます。

どのタイミングで5度音を入れるか、ルートと半々くらいのイメージで色々試してみると良いところが見つかると思います。

5度音はルート音との親和性がとても高いので、どんなコードであっても使える大変便利な音です。演奏中に困ったときなどに、とりあえずルートと5度で間を作って一旦落ちつく、くらいの逃げ場にもなります。

ルートと5度だけでもベースラインになる

たった2音しか使っていませんが、これだけでも結構ベースラインっぽくなるものです。上手くリズムに緩急をつけていけば聞かせるベースラインが十分に作れると思います。

コードでベースを弾こうとするとき、ついついハマりがちなのが「コードの構成音を上手くつかって動きのあるベースラインを作ろう」という思考です。コードの音がわかるとそれらを並べてかっこいいフレーズを作りたくなるものですが、経験上、大抵の場合ただ音を並べただけのものにしかならないです。

それよりもコードの音の中から、どの音をメインで使って、どれをサブで使うかを線引きしておいた方が露頭に迷わずに済みます。もちろんメインはルートと5度です。しかも小節頭はルートなので迷いようがないですよね。

STEP2 経過音でコードチェンジをスムーズにする

ルートと5度だけでもベースラインになりますが、もちろんこれで終わりではないです。
次は、コードチェンジをスムーズにすることを考えます。

ルートと5だけだとコードチェンジがたどたどしく聞こえることがある

コードチェンジの違和感

例えば、Cm7→Am7 というコード進行があったとします。ルートと5度で演奏した場合、Am7にコードチェンジする際に、段差を超えるようなちょっとした違和感を感じるかもしれません。

違和感というほど大げさなものでもないですが、コードチェンジの際、次のコード次第によってはチェンジがたどたどしく聞こえることがあります。噛み合わない、チグハグ、片言そんなイメージのちょっとしたものです。

違和感の原因の一つに、コードチェンジしたときの音程差が大きいことがあります。

経過音でコードをスムーズに繋ぐ

そこで、経過音を使ってコードの繋ぎをスムーズにしていきます。

経過音とは、次のコードの半音上か下の音で、これをコードチェンジの直前に一ついれるだけでコードの移り変わりが自然に聞こえます。ルートと5度だけではイマイチ不自然だったベースラインがグッと良くなるはずです。

経過音を使うときのポイント

経過音はコードチェンジの直前に入れることで、次のコードに流れるように音を繋げる効果が得られますが、使う際の注意点もあります。

ポイント1 経過音は長い音符で使用しない
経過音はコードトーンとは別枠の音なので、基本的にはコードの響きとはマッチしません。経過音を伸ばすとコードのサウンドを崩すことがあるので、コードチェンジの際のワンクッションでのみ使ったほうが良いです。

ポイント2 フレーズの上昇、下降に合わせて使い分ける
ターゲットのコードの半音上か下、どちらを選ぶことができます。
どちらにしてもそれなりに自然に聞こえますが、強いて言うならばさらに直前の音を考慮して、上昇フレーズor下降フレーズを意識して使い分けるとベースライン全体に抑揚がついていい感じになります。

ルート、5度、経過音でベースラインはほぼ完成

めちゃめちゃシンプルですが、ルート、5度、経過音だけで使えるベースラインになりますし、全然これだけでセッションなんかも乗り切れちゃいます。

コードの構成音を先に見てしまうと、いかにも全部の音を使わないといけないと思いがちですが、ベースラインを作る上で大切なのは殆どこの3つの音。これが基本と言ってもいいんじゃないでしょうか。

・・・とは言っても、3音だけだと同じようなベースラインになってしまって、やっぱり面白みに欠けるかもしれないです。そう思い始めたならばいよいよ3度や7度をベースラインに組み込むことを考えます。

STEP3 3度7度でベースラインに緩急をつける

ルート、5度、経過音だけでかなりしっかりしたベースラインを作ることができますが、一曲通してこの3音だけで乗り切るのは少々味気ないです。

ときには合間合間に小フレーズを挟むことでベースライン全体に緩急がつき、面白みのある演奏になって行きます。といったところで、いままで触れずにいた3度7度をつかってフレーズを作っていきましょう。

3,7度を使ってフレーズを入れてみる

今までのルート、5度、経過音に加え、曲中の要所要所で3、7度をつかったフレーズを入れてみます。

具体的な使い方としては小節の頭はルート、終わりは経過音で固定で良いので、その間の空間を5、3、7度(+ルート)を使って埋めて行きます。

より具体的にどうフレーズを作っていくか・・・こればっかりは各々のセンスです。
面白いフレーズがポンポン生み出せるメソッドは残念ながらまだ見つかっていません。

フレーズは自分のアイデアで作っても良いですし、曲を聞いて気にいったものをコピーするなどして、ネタを蓄えておくと様々な場面で役立ちます。演奏中にアイデアが出てこなくても、持ちネタから引き出して乗り切ることができればもう無敵です。上手い人ほど持ちネタを沢山ストックしてたりします。

まずは色々試して気に入ったフレーズを探してみましょう。

歌物ならオカズフレーズは控えめなくらいがカッコいい

要所要所でちょい出しするフレーズを「オカズ」と呼ぶことがありますが、オカズフレーズは入れすぎると悪目立ちしてしまい全体のバランスを壊してしまうことがあります。

皆んなで演奏してるのに、なんかベースだけ目立とうとしている・・なんて風に思われたくないですよね。

ついつい弾きまくってしまいがちですが、歌物ポップスなどなら一歩引いて、ここぞというところでフレーズを入れていくくらいが丁度いい感じになります。

うねるベースラインが作りたいなら積極的にオカズを入れる

逆にベースラインが縦横無尽に走り回るような曲、うねるベースラインを作りたいならば、積極的にオカズフレーズを入れていく方法が有効です。

ここでも小節頭はルート、終わりは経過音を崩さないほうがコード進行をロストしませんし、うねるベースラインが欲しい曲は大抵テンポも早めですが、早いテンポほどしっかりコード感を出しながら演奏した方が気持ちよく聞こえます。

また、シンコペーション(裏拍)やグリッサンドを積極的に入れていくと、より「らしく」なりますのでオススメです。

番外編 スケールを使ってフレーズのバリエーションを増やす

3、7度だけじゃもうアイデアが尽きた!もっとフレーズのバリエーションを増やしたい!
そう思うようになったら、スケールを使ってみよう。

みなさんスケール練習ってしたことありますか?
ドレミファソラシドから始まって、ペンタトニックやメロディック何某などなど。とりあえず弾いてみたけど「だから何?」って感じじゃないですか?私はそうでした。

そもそも使う予定がないのにスケールを覚えてもあまり意味がなくて、順序でいったら、何か表現の手段が欲しいからスケールを覚える。ってなると思うんですよね。手段と目的の逆転というか。

そしてフレーズ作りに行き詰まりを感じるようになったら、いよいよスケールを覚える必要に迫られた訳です。目的のための手段としてスケールを覚えて行きましょう。

メジャースケール

スケールも沢山あって紹介しきれないので、メジャースケールのみ紹介します。

メジャースケールいわゆるドレミファソラシド(CDEFGABC)です。(in Cの場合)
このときのコードをCM7とすると、コードの構成音はC,E,G,Bです。D,F,Aが追加で使える音になりますので、今までと同じ要領でDFAも組み込んだフレーズを作ることができます。

コードとスケールの関係は奥深いので、メジャーコードならばメジャースケール、マイナーコードならばマイナースケール、くらいの認識でとりあえずやってみると、大きくは外れないはずです。

フレーズの最後はルート、5度、3度で終わらせる

冒頭の通り、コードの構成音のなかで最も重要なのがルートです。ルートはどのように鳴らしても不自然に聞こえることは殆どありません。ルートと親和性の高い5度音や3度も違和感が少ないはずです。

しかし、これ以外の音については少々注意が必要です。
7度、スケール音は、長い音符で演奏する(=音を伸ばす)とずれた音に聞こえることがあります。4度(F inC)や2度(D inC)はちょっと怪しいことが多いかも。

アンサンブルの絡みや、フレーズの組み立て方で聞こえ方は都度かわりますが、ルートや5度よりは慎重に扱う必要があります。

逆に短い音符で弾く場合にはなんの問題もありません。これらの注意が必要な音たちは、短い音符で弾きながらフレーズの最後をルート、5度、3度で締めると違和感なく聞こえます。

まとめ

コード記号からベースラインを作る3ステップでした。

  1. ルートと5度でベースラインの基礎を作る
  2. 経過音でコードチェンジをスムーズにする
  3. 3、7度やスケールを入れてオカズを入れる

ベースラインを作ろうとすると、ついついカッコいいものを作ろうとしていきなり③に挑戦してしまいがちですが、実際の演奏の8割は①と②じゃないかと思います。

少々地味かもしれませんが、実践的で有効なものなので是非基本から取り組んでみると、よいベースラインが作れるはずです。

この話を知り合いのベーシストにしてみたところ、たった一時間ほどで、楽譜初見のセッションでベースラインが作れるようになりました。実証済みですので是非お試しを。