小さなお子さんが突然「ギターをやりたい」と言い出したらどうしましょうか。
- なんでもやってみようと応援する。
- ギターなんてダメ。許さない。
- もうちょっと大きくなったらとお茶を濁す。
などなど色々な選択肢があります。せっかく子供が自発的に何かをやりたいと言っていることを頭ごなしに否定もしたくない思いもあるでしょう。
しかし、教育上のことやお金のことなど、漠然とした不安もあるはずです。
自分が音楽経験者である程度知識があるならば、適切に判断できるかもしれませんが、音楽なんて義務教育依頼という方はどうしたらよいか困ってしまいます。どう判断するにしても、親が楽器や音楽についてちゃんと理解しているかどうかが重要な判断ポイントになることは間違いありません。
先日もライブの際にお客さんとして来ていただいたご夫婦の方から相談を受けることがあり、現役アマチュアミュージシャンの立場からアドバイスさせていただきました。
私はお子さんに楽器を習わせることに賛成派の人間ですので、若干偏った意見になりますがその時の話を記事にしてみますので一つの意見として参考にしてみてください。
ここではギターを習うことを前提としていますが、ドラムでもベースでもピアノでも同じことが言えるのではないかな、と思います。
目次
子供が楽器に興味をもったときはどうしたら良いか
その「やりたい」は本当なのか話をしてみる
多くの子供がゲームやyoutubeに夢中になるなか、楽器に興味を持ってくれるのはある意味でとても貴重な感性をもったお子さんと言えます。
余程お子さんの心に刺さる感動的なきっかけがあったのか、才能的なものかはわかりませんが、多くの子供が見過ごしてしまう何かに気が付きそれに挑戦しようとしている気持ちは無視できるものではありません。
小学生くらいになると遠慮したり、怒られないか怖くて中々素直に要求を口に出せない子もいます。もしかしたらその「やりたい」は勇気を出して言った一言かもしれません。
まずはお子さんの話に耳を傾け話をして、本当にやりたい気持ちがあるのかどうかを考えましょう。
結果を求めすぎない。楽しむことが目標でもいい。
小さい頃から楽器を習うと、もしからしたら将来プロにでもなって活躍してくれるかもと期待してしまうものです。
- やるからには本気でやろう
- プロを目指そう
- 他の子には負けないようになろう
こんなことを考えていませんか?
実際、楽器は経験年数が長いほど技量が高くなります。とくにクラシックピアノなどは幼少のころからレッスンを受けさせ徹底的に技術を刷り込みますし、ギターにもクラシックのジャンルがありますがこちらも同様に幼少期から指導されます。
なんとなくこういったイメージがあり、高い目標や結果を求めてしまいがちです。
しかし当然ながら小さいころから楽器を始めたからといって必ずプロになれるわけでもありませんし、そもそも音楽は優劣がすべてではありません。
お子さんが楽器を始めたいと言っているその胸は、きっと「もっと音楽を楽しみたい」気持ちではないでしょうか。
ギターで好きな曲を弾いてみたい。演奏をほめてもらいたい。そのくらいの気持ちかもしれません。
これでは不十分でしょうか?
私は動機として十分だと思います。
とりあえずやってみて面白くなってどんどんのめり込むかもしれませんし、他の楽器の方に興味をもって乗り換えてしまうかもしれません。案外すぐに飽きてしまうかもしれないです。
プロではないけれど普通のひとよりちょっと楽器が得意。世の中にはそういう人が老若男女問わず大勢います。私もそのなかの一人です。アマチュアでも趣味の演奏会などで交流し音楽を楽しんでいます。
大物になる必要はありません。将来ちょっとした特技や趣味となって、人生の楽しみが少し増えるだけで十分ではないでしょうか。
ギター=不良はさすがにもういません
ふた昔くらい前だとバンドマンはちょっと悪っぽくて、ギターも不良のイメージがありました。
90年代前後のバンドブームの頃に特に人気だったXJAPANやGLAY、ラルクアンシエルなどをイメージすると、髪を染めてツンツンにして全面オラオラな雰囲気。それに憧れてギターを始める人も同じような雰囲気になるので、不良っぽい印象があったと思います。
これらの時代を経験した親の世代には、まだ音楽=不良のイメージがあるかもしれませんが、それは当時のスタイルで、今は時代の変化とともにとてもクリーンなイメージに変わっています。
今のバンドのイメージを比較してみるとわかりやすいですが、例えばRADWIMPSやオフィシャル髭男dismなど、当時と全然違いますよね。
いまの時代特に若くて音楽をやっている人は見た目も中身も常識的な人ばかりです。街中でリーゼントした不良を見ないように、オラオラ系のバンドマンもほぼ絶滅しています。
楽器屋や練習場となるスタジオも綺麗な場所が増えてきていますし、お客さんの雰囲気もごく普通の人ばかりです。最初はレッスンに通うことになると思いますが、なおさら清潔さには気を遣っています。
もちろんこれは一般的な話で、いまでも昔ながらの雰囲気の場所もありますが、大手ならばまず安心でしょう。
具体的に始めるにはどうしたらよいか
レッスンor自分で教える スタイルに合わせよう
今の時代だとyoutubeなどで楽器の弾き方を勉強することができますが、お子さんには少々難しと思いますし、やはり人がついて教えてあげる環境が必要です。
親に楽器の経験があるならば、出来るだけ直接教えてあげた方が良いように思います。
お子さんの性格などをよくわかっているので、ちょうどよいペースで進められるでしょうし、お子さんとのコミュニケーションにもなります。演奏できることが増える喜びも共有できます。
親子一緒になって何かに取り組むというのは教育上も良いことですよね。
しかし、人に(それも子供に)教えることはそれなりに難しいことでもあります。
私自身、一時楽器講師をしていた経験がありますが言いたいことをわかってもらうには相当の努力が必要で、子供相手となると想像もつきません。
中々わかってもらえないストレスからイライラが出てしまっても面白くありません。
きっかけとして最初は自分で教えるでもいいかもしれませんが、長期的にはプロの先生にレッスンを任せた方が親としてもおそらく気が楽です。もちろん楽器を教える当てのない場合もプロに頼るしかないです。
最初は島村楽器のレッスンがよさそう
楽器のレッスンというと、ピアノのレッスンなどを想像するかもしれませが、同じようにギターやベースのレッスンというものも存在します。
楽器屋さんなどと提携してレッスンの案内をしているところが多くあり、パンフレットを見るとサックスやフルートなど様々なコースがあることがわかります。
楽器店大手の島村楽器は、店舗にスタジオを持っておりそこで専任講師によるレッスンを行っています。
楽器店内なので楽器購入の相談などもできますし、お店も清潔で安心感があり、始めて楽器を経験する人にとって敷居が低いのが特徴です。
島村楽器のレッスンは個別レッスンとグループレッスンがありそれぞれ料金体系がなどが違います。
レッスン 形態・月謝 |
| ¥12,100 |
---|---|---|
| ¥8,800 |
また、入会金として1,1000円(個人レッスン)or 5,500円(グループレッスン)が掛かります。
年間40回というと、月3~4回くらい。個人レッスンの方がじっくり見てもらえますが一回30分とかなり短いです。ほとんどあっという間でしょう。
これならばグループでも60分の方が良いように思います。一緒に練習する仲間ができますし、他の人の演奏を見るのも良い刺激になります。
初心者コースやキッズコースもあり、体験レッスンも受けられるのでまずは島村楽器のレッスンで様子を見てみるのが良さそうです。
楽器を買うならば初心者向けのもので十分
いよいよ楽器を初めてみようと思っても、肝心の楽器も何を選んだらよいのかわからないはずです。
- 何を買ったらよいのかわからない
- 高価なものなので失敗したくない
- すぐに飽きてしまうかもしれないのに、買わなくちゃだめ?
まずギターやベースなどは、色や形が違うだけで基本的な部分はほぼ一緒でどれを選んでも演奏できることは一緒です。
大抵どの楽器屋にも初心者向けとして必要なものがセットになっている楽器ありますので、これらの中からお子さんが気に入ったものを選んでおけばOKです。先ほどの島村楽器でも初心者向けセットがあり、2~3万円台から揃えることができます。
小さいお子さん向けにキッズサイズの楽器もありますが、出来るだけ通常サイズに慣れていたほうが後々のためになると思います。どうしても持てないようならばキッズサイズでも〇です。
ときどき「安い楽器だと上手く弾けない」といい高い楽器を進める人が居ます。
楽器の値段はピンキリで、安いには安いなりの理由がありますが、何を選んでもきちんとお店で販売されている楽器です。もちろん演奏すること自体は問題ないです。
むしろ最近は「この値段でこのクオリティ?!」と驚くものばかり。
どれだけ長く続けるかもわからないものにいきなり高価なものは不要ですので、手の届く範囲で選びましょう。
場所によっては、楽器を持っていなくてもレッスンで貸出してくれるかもしれないので、楽器を購入するまえにレッスンの相談をしてみるのもアリですね。
お子さんがギターを始める際の費用
気になる費用をまとめてみます。
楽器購入費用(ギター初心者セット)
レッスン費用(入会費含む)
合計
3万円
2万円(翌月以降1万円)
4~5万円
楽器もレッスンもどれを選ぶかによって変わってきてしまいますが、おおよそ初期費用として4~5万円あればとりあえず始めることは出来そうです。
月々のレッスン代の他は、ギターの弦(1~2カ月ごとに交換)1000円程、弦を弾くためのピック100円程と大きな出費はないはずです。
以外と身近に楽器経験者がいるかも。周りに相談してみよう
楽器を選ぶにしても、レッスンを選ぶにしても経験者のアドバイスがあると安心感が違います。
出来ることならば楽器を買う際に一緒について来てもらったりなど出来れば言うことなしです。
今の30~40代はバンド世代です。この世代のお父さんお母さんも昔は楽器をやっていたかもしれませんので、職場や友人に相談してみると、もしかしたら楽器を譲ってもらえるなんてことがあり得ます。
最後に
お子さんがギターをやりたいと言い出した場合にどう考えるかについて話を進めてきました。
出来るだけ挑戦させてあげたい気持ちがあると思いますが、それなりの費用が掛かりますので現実には状況をよく判断するほかありません。
ピアノやドラムなど楽器が変わると費用がまた変わってきますので注意が必要です。
冒頭でもお話したように、楽器に興味を持ってくれるお子さんは結構少ないです。かつては多くの音楽人口がいましたが、それすらも減少傾向にあるように感じています。
アマチュアで音楽を楽しんでいる立場の一人として、もしもあなたのお子さんが楽器に挑戦してみたいと言うならば、可能な限り応援してほしいと思います。
プロを目指す必要はありません。感性を磨きながら将来的に趣味の一つになることでお子さんの人生がちょっと豊かなものになればと思います。